最後にヤバいのが…『ノー・ウェイ・アウト』/No One Gets Out Alive (2021)
Netflixオリジナル映画の『ノー・ウェイ・アウト』。 引用:https://www.imdb.com/title/tt13056008/ https://www.netflix.com/jp/title/80991313 淡々としたテンポで描かれる移民の苦しみの先に待っていたのは不気味な結末でした。 冒頭には少し分かりにくい記録映像が挿入されています。これが結末のヒントになっていました。 物語の主人公は移民の女性。映像からは不法移民の気配が感じられます。 本が原作の映画ですので、原作ならば状況がより詳細に記述されているのでしょう。本作はあまり説明的な表現がなされず、ただただ静かに主人公の苦しさと不気味な体験が描かれていきます。 全体が静的に進行する映画ですが、結末はかなりグロテスクであり、グチャグチャに叩き潰される頭部の描写など一気に様変わりするところはそれまでの静かな流れを活かした「監督の狙い通り」な展開なのだと感じさせます。 主人公にはまず苦しさが付きまとい、それがやがて恐怖に変わっていきます。 苦しい生活 主人公の苦しさはまず、労働に表れます。定職に就くために親戚の力を借りようとしましたが、アメリカ国民でなければならないと言われたため、不正にIDを取得するためのお金が必要となります。 しかし、不法移民をするぐらいですから、金銭的な余裕はありません。住むためのお金も必要です。 縫製工場で働きますが、勤務状況は芳しくありません。 ID作成については同僚に頼んでいたようですが、これがなんとも不思議なことになります。 テキサスのIDを希望した主人公ですが、1000ドルではできなくなった。3000ドル必要だと言われるのです。 そんなに出せない事が分かると同僚は「足りない分は貸してあげる」と言います。しかし翌日には同僚は突然仕事を辞めてしまい、連絡もつかなくなりました。 連絡先を職場で聞き出そうとしましたが、それがきっかけでクビになってしまいます。 肩身の狭い思いをしながらなんとかアメリカ国民になろうとする主人公ですが、仕事は途絶え、ID作成の道も閉ざされてしまうのです。 同僚の失踪 同僚の不可思議な言動は一体何だったのでしょうか?主人公からお金をだまし取ろうとしているとも考えられるところですが、主人公の「お金」は前払いした家賃を返してもらえないため、同僚にはまだお