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鉄板?『ロキ』のネタバレ感想・考察・あらすじ/Loki (2021)

どーも、映画研究家の丸山です。 今回はロキを観ました。

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ロキとは

ロキは、2021年から製作されているDisney+のオリジナルドラマです。アベンジャーズの敵となったり味方となったりする、「いたずらの神」と呼ばれるロキが主人公となり、世界の秘密に迫ります。

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引用元:https://www.imdb.com/title/tt9140554/



これは何ですか?

 

「マルチバース」です。

 

主演は?

トム・ヒドルストンです。男も羨む類い希なイケメンさんです。しかし、ロキ役の彼は色白で、病的で、あまりイケメン感が引き立たない役柄です。彼のイケメンぶりは、ロキ以外の作品をご覧下さい。

その他は?

  • モビウス:オウエン・ウィルソン
  • ググ・ンバーサ=ロー
  • ソフィア・ディ・マルティーノ

鑑賞時間は報われる?

はい、報われるでしょう。全6話とコンパクトなのも魅力です。テーマからすると、もう少しじっくり描いた方がいいように思います。SF観が少し分かりにくい人が多いかもしれません。

あらすじは?

アベンジャーズ4作目、「エンドゲーム」の中で、過去に戻ってインフィニティ・ストーンを探しに行った際、略奪に失敗した石が、拘束されたロキの足下に転がる。それを持って逃亡したロキ。このロキが本作の主人公である。(オリジナルのロキはサノスによって殺されたため既にいない)

世界線の分岐を監視するTVAという組織から、時間を分岐させた「変異体」扱いされるロキ。当初は消滅させられそうになるが、持ち前の交渉術を駆使し、TVAのエージェントと共に、凶悪な変異体を捕まえる手助けをする。

しかし、その凶悪な変異体とは、更に別の世界線で生まれた、ロキ自身だった。

みどころは?

みどころはたくさんあるのですが、本作が採用しているSF観は難しく、作中では丁寧な説明がほとんどありません。そのため、何が起きているか理解するのは難しいでしょう。以下に、要素ごとに解説します。

多元宇宙・マルチバース・世界線

本作に登場する難解なSF用語。ドラマの中では一切解説されません。
こちらの記事で詳しく説明しています。ぜひ、参考にしてみて下さい。

TVA登場による新しい世界観

ここからは、下記について解説していきます。「世界線」、「多元宇宙」については、先に理解しておくのがオススメです。

  • 神聖時間軸
  • タイムキーパー
  • 変異体
  • 分岐
  • TVA
  • 虚無
  • 在り続ける者

本作の分岐とは

アベンジャーズが行った世界線は異なる

エンドゲームでアベンジャーズが過去に行きました。この世界線は、元のオリジナル世界線とは別の「新しい世界」です。

オリジナル世界線では、「未来から来た人達にインフィニティストーンを奪われる」というイベントは発生しません。つまり、MCUの世界観は、「単一世界線型」ではなく、「複数世界線型」の時空論を採用しています。

複数世界線型時空論

インフィニティストーンを盗むために行った過去=別の世界線は、アベンジャーズが介入しなければ、インフィニティストーンが盗まれる事はありませんでした。アベンジャーズが介入した事により、インフィニティストーンが盗まれるイベントが発生し、またそれに失敗した事で、本来はオリジナル世界線と同じく拘束されたままであったはずのロキが、「インフィニティストーンを手にした事」により、オリジナル世界線とは未来が変わってしまいました。

このように、他の世界線からの介入などにより未来が変わってしまう事を、本作では「分岐」と呼んでいます。この分岐によって、異なる世界線が増えていきます。

変異体とは

アベンジャーズ介入による分岐が起きない限り、異なる世界線のロキはインフィニティストーンを手にする事も、逃亡する事もありませんでした。しかし、他の世界線の介入という、本来その世界線だけでは起こりえなかったイベントによって、その世界のロキは「異なる未来」を作る事になります。

このような分岐のきっかけを作る存在を、本作では「変異体」と呼んでいます。変異体は、本来起きえなかった未来を新たに生み出してしまうので、世界線がどんどん増えてしまう原因となります。そのような事態を取り締まろうとする組織がもしいるならば、変異体の存在は厄介ですよね。そこで、TVAが登場します。

TVAは何をしている組織?

TVA=Time Variance Authorityの略。
直訳すると、時間分散承認局、みたいな感じです。世界線の分岐を管理・承認する組織という意味でしょう。

TVAは、本来起こるべきでない世界線の分岐を阻止する活動をしています。具体的には、世界線の分岐で生じた変異体を消滅(剪定)させ、更に変異体のせいで変化した未来を「元に戻す」事もします。

TVAは、特殊な道具によって、変異体の行動を逆行させて元に戻したり、魔術を使えないようにするなど、変異体の脅威を無力化する事ができます。

また、通常、タイムトラベルよりも科学的に非常に高度かつ困難である、「複数の世界線への自由な移動」も可能です。全ての時間を監視し、変異体と分岐の発生に対処するのが彼らのミッションなのです。

TVAのスタッフは、タイムキーパーによって業務用に作られた存在であり、人間のように自然に生まれた者ではないとされていました。

タイムキーパーとは

TVAを動かし、世界の時間を管理するタイムキーパー。3人のトカゲとも表現されるこの崇高な存在は、未来に起こる事を決定し、それ以外の世界線の分岐を遮断するために存在しています。その理念を実際に具現化している組織がTVAです。TVAはタイムキーパーのために働くのです。

タイムキーパーが定めた世界線の事を、本作では「神聖時間軸」と呼びます。

神聖時間軸とは

TVAが世界線の分岐を排除する目的は、世界線を1つにまとめるためです。本来は自由に増えても問題のないはずの世界線を、タイムキーパーが定めた未来に進む世界線だけが生きるように管理しています。その真の目的は、本作のラストで明かされます。

少し複雑なのは、世界線が1つしかないわけではない点。
タイムキーパーは、世界線の分岐を全て認めないわけではありません。「神聖時間軸を維持」するために必要な世界線の分岐は認めるのです。

例として、エンドゲームでアベンジャーズは異なる世界線に行き、インフィニティストーンを拝借してきます。これは、タイムキーパーが描いた未来に必要な「世界線の分岐」だから、この分岐は残されるのです

なぜならば、サノスを倒すためには、他の世界線からインフィニティストーンを集めるしかなかったからです。それしか方法がない事は、無数の未来を体験したドクターストレンジが証言しています。

しかし、その「サノスを倒す未来」を実現するために、ロキが逃亡する別の世界線が分岐で誕生し、そのロキがを「変異体」として、TVAが剪定しようとします。
これが、このドラマの冒頭で起こる出来事です。

剪定の行き先「虚無」

虚無については、SF大好きな私でも、少し難しい設定でした。剪定された者は「消滅する」というのがTVAの認識でした。しかし実際には消滅せず、「虚無」という所に送られるというのが隠された事実です。

では虚無とは何でしょうか?タイムキーパーは未来に起こる事を自ら定義していますが、その終わりは、実は未定なのです。これはSF論ではなく、あくまでも本作の設定です。

その終わりとは、何世紀も後の事です。具体的に何世紀かは不明ですが、とにかく遙か未来です。そこまでの未来は「神聖時間軸」として定義されています。しかし、その先は決まっていないのです。それは、「タイムキーパーがこれから決める=まだ決めていない未来」の事。

その、時間の果てにある「まだ誰も決めていない未来」が「虚無」の正体です。どこかの異次元に存在するかのように聞こえますが、単に、この世界の遙か遙か未来で、その先が決まっていない時点の事。時間の最も最後にある時点です。

この場所は荒廃しており、僅かに過去の残骸があります。ここでは、時空を喰らう「アライオス」という化け物が、神聖時間軸の最後の時点の番人をしています。このアライオスを超えると、そこに「在り続ける者」がいます。

在り続ける者とは

タイムキーパーは、実はただのロボットでした。TVAはロボットの指示に従っていたのです。それが「時の管理者」だと思い込んだまま。

実際には、「在り続ける者」と呼ばれるただ1つの存在が、神聖時間軸を定義していました。しかも驚いた事に、それは一人の人間です。神や崇高な能力者などではなく、ただの普通の人間が、世界線を1つにまとめる目的でTVAを作り、地道な剪定作業をさせていたのです。

在り続ける者はただの人間ですが、現代人ではありません。31世紀の科学者です。その時代の科学技術が、異なる世界線との交流を可能にしました。これをきっかけに、世界線同士が争うようになったため、争いをなくす事を目的に、世界線の分岐をなくし、未来が1つの世界線に収まるよう「神聖時間軸」を定義した、というのが彼の目的です。

彼の時代では、タイムトラベルも自由に行えます。そのための未来道具の1つが、TVA職員が使用する「タイムパッド」です。TVA職員は普通の人間であり、特殊能力はありません。彼らは、科学技術の進化の産物「タイムパッド」という道具のおかげで、異なる世界線や過去までも自由に行き来できたのです。

それによって、「在り続ける者」は、自分が生きる世界線だけが残るように過去を改ざんし、世界線の分岐を阻止しました。世界線が分岐すると、いずれ世界線戦争が始まります。そうならないために、過去を監視し、常に変異体の影響を排除しているのです。

余談ですが、在り続ける者は決して崇高な存在でなどなく、部屋着でおちゃらけてだらしない感じの、黒人男性でした。彼は、自分が組織のトップには相応しくない事を自覚していて、タイムキーパーというロボットにTVAを管理させたのでしょう。

そして、ただの人間でしかない彼には、人間を作り出す能力などあるはずがありません。広大な敷地で多数の職員を必要とするTVAには、「自分はタイムキーパーの創造物」という記憶を植え付けられた人間達が従事しています。

在り続ける者は、歴史上の変異体を剪定した際、記憶を書き換えて、その変異体をTVA職員として働かせたのでした。

変異体は、ロキのように特殊能力が使える者だけでなく、世界線を分岐させる行動をする者が全て監視され、剪定対象となります。そのような管理ができるのは、在り続ける者が、遙か未来の存在だからです。

自分の未来は分からない

在り続ける者の元にロキとシルヴィがやってきた当初は、全ての行動が文書で記録されていました。しかし会話の途中で、「境界線を越えた」と在り続ける者が言います。この時起きた事や、在り続ける者に何が起きたのかは、本作中には情報がないため全く分かりません。

確定しているのは、そこまでの出来事は全て知っているが、そこから先の事はもう分からない。つまりただの人間になったという事です。

推測ですが、31世紀の技術で過去と現在は移動できるが、未来へは制約があるのかもしれません。例えば、人間ではなく神のような存在が、まだその時点より先の未来を作っていないため、正しくこの場所が虚無であり、そこより未来の事は知り得ないのかもしれません。

そのせいで、シルヴィに自分が殺される事は知らなかったのでしょう。
シルヴィの判断に委ねた事で、世界線戦争が始まります。

オリジナルロキは死んでいる

いったん振り返りましょう。本作のロキは、オリジナルではありません。過去にも死んだと思わせて実は生きていた事のあるロキ。アベンジャーズ3作目のインフィニティ・ウォーでは、ロキがサノスに殺されました。これも幻覚なんじゃないの?と思ってしまいますが、実は本当に殺されたようです。

つまり、MCUの世界から、あの重要ポジションを担うロキが、いなくなってしまったのです。なんという損失!

ところが、タイムトラベルをきっかけとして、「別の世界線のロキ」は生きていて、そのロキに活躍してもらうという展開となりました。この、「別の世界線のロキ」が本作の主人公です。つまり、あくまでもオリジナルのロキは死んでいて、本作で観るロキは「別のロキ」なのです。

色々なロキ

虚無へ行くと、様々なロキに出会います。しかし、他の生き物はほとんどいません。どうやら、ほとんどの生物はアライオスに喰われてしまうようです。ロキは神様なので、生存力が高く、生き延びている様子。そのため、様々な世界線から送られたロキが生き残っており、多数のロキに出会ってしまうのです。

凶悪なロキは女性

様々な世界線では、自分の分身の性別が異なるパターンもあります。性別が異なると、名前も異なります。それが、TVAがずっと追っていた凶悪犯「シルヴィ」です。

凶悪なロキの素顔が明らかになった時は、何が起きているか分からない困った気分になりました。つまり、彼女は異なる世界線で世界線犯罪を繰り返していた、女性バージョンのロキなのです。

別の世界線の自分が同じ顔なら、恋愛に落ちる事はないでしょう。しかし性別が異なり、性格や行動も違うとしたら・・・本作のように、惹かれてしまう事はあるのかもしれません。

トリビア:虚無に登場する現実の都市伝説

虚無では、アライオスの元へ向かう途中、巨大な戦艦が登場します。その船の名前は「エルドリッジ号」。その名前が映るシーンがあります。

このエルドリッジ号が登場した意味はあったのでしょうか?
実はこの船の名前は、現実に起きたとされる、とある実験に登場します。

それは、フィラデルフィア計画です。

フィラデルフィア計画 - Wikipedia

都市伝説というよりは、実際に起きた出来事として知られています。しかし、秘密の軍事実験であるため、真偽は不明。この計画では、非常に強力な磁場を発生させた事により、エルドリッジ号が消失。

このエルドリッジ号が消えた先は不明ですが、本作では、「虚無に飛んでしまった」という設定で登場したというわけです。本作における、トリビアと言えるでしょう。

ラストの意味

ラストでロキは、虚無から戻り、メビウス達に話しかけますが、話しが通じません。そして、在り続ける者の巨大な像を見て驚愕します。このラストシーンには説明がなく、何が起きていたのか気になりますよね。そしてシーズン2へと繋がる事が明かされ、本作は終了します。

この意味は、シルヴィが「在り続ける者」を殺してしまった事から発生した分岐によって、31世紀以降の未来で再び世界線戦争を起こす者が現れる事を示しています。

そして、TVAを組織して神聖時間軸を管理しようとする在り続ける者の別バージョンが生まれたという事です。オリジナルの「善き在り続ける者」は既に死んでしまったので、ロキがいるのは異なる世界線の、異なる意志を持つ別の「在り続ける者」によるTVAです。

なぜ、ロキが元の世界に戻れなかったのかは謎です。
その新しい世界では何が起こるのか。シーズン2が楽しみですね。

評価の理由

フェイズ4の中心的なテーマを予感させる、世界線戦争。今後のアベンジャーズシリーズでは、他の世界線から介入してくる多数の存在が登場するでしょう。もちろん、死んだはずのロキは、オリジナルの世界線に介入し、「またロキ復活!」という立ち位置が実現する事でしょう。やっぱり、ロキは死なないんだね!

1話は60分ほどあって長いですが、6話なので見やすいですし、何より、この世界観を観ておかないと、今後のフェイズ4の理解が追いつかない予感です。Disney+加入者しか観られないとなると、フェイズ4を追うのが難しくなってしまうので、他の配信サービスでもレンタルなどが利用できるようになるのかもしれません。

または、本作を観ると理解は深まるけれど、観なくても楽しめるという形式で進んでいくのかもしれませんね。いずれにせよ、今後も楽しみが止みません。サノスという最強の敵の後は、異なる世界線が戦いの場となる事は疑いようがありません。しかし、SF観の理解にはハードルの高さがあります。

しっかり予習・復讐して、楽しんでいきましょう。

続編はある?

既にシーズン2が予定されています。
まだ物語は完結していません。

どこで観れますか?

Disney+で観られます。
そんなにお高くないので、いっそNetflixなどから鞍替えしてみてもいいかもしれませんよ。
両方だとお高くなっちゃいますしね。

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