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憧れ怖し?『ゲットアウト』のネタバレ感想・考察・あらすじ/

どーも、丸山です。 これ観ました。 

ゲット・アウトとは

ゲットアウトは、2017年に製作されたアメリカ映画です。

黒人である主人公が、白人である彼女の実家に招かれると、複数の黒人が家政婦として働いていた。そこでの不可解な出来事を不信に感じつつ、謎の組織の罠に落ちてしまう。

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引用元:https://www.imdb.com/title/tt5052448/

 

この映画は何ですか?

 

「黒人ラブ」です。

 

プロデューサーが天才

本作はショーン・マッキトリックがプロデュースしています。個性的で、一度観たら忘れられないような映画を多数世に送り出しています。
『ドニーダーコ』、『運命のボタン』などの2000年代の作品や、近年では『アス』、『アンテベラム』といった話題作も、彼のプロデュース作品です。特に、本作からのアス、アンテベラムと続く作品は、彼の社会派テイストが光る秀作揃いとなっています。

3作品とも人種問題などをテーマにしており、主人公はいずれも黒人です。黒人を際立てた構成を取る特徴があります。

主演は誰ですか?

ダニエル・カルーヤです。

黒人俳優の中でも特にチャーミングな印象の彼は、メジャーな作品にいくつも出演しており、『ブラックミラー』や『ブラックパンサー』でも活躍しています。甘い顔立ちに併せて、確かな演技力が評価されています。

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引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%A4

あらすじは?

主人公が彼女の実家に招かれる。実家では、複数の黒人が家政婦をしているが、どことなく様子がおかしい。

両親がパーティーを開くが、招待客は全員が白人である。ビンゴ大会が開かれるが、何かを賞品にかけているらしい。そこでも主人公は、白人達の態度に違和感を覚える。パーティー中に家政婦の一人がカメラのフラッシュにより錯乱し、出て行け!と警告をする騒ぎが起こる。

彼女の母親から、禁煙の催眠療法を勧められるが、これをきっかけにティーカップをスプーンで弾く音で、催眠状態に入ってしまうようになる。

家族の様子がおかしい事を感じるようになると、催眠で気を失う。目が覚めると地下で椅子に固定され、謎の組織のビデオを見せられる。

そこで、この家族と組織の裏の顔と、自分が呼ばれた目的を知る事になる。

みどころは?

椅子に固定されて見せられるビデオの内容です。妙な態度を取る白人達の目的が分かるシーンです。ここで、この家の白人も黒人も様子がおかしい理由が分かります。

人種差別がテーマなのか?

謎の組織は、黒人の肉体的優位性に憧れる白人の集団です。白人の肉体を捨て、自らの意識を強引に移植する事を求めています。

これは、黒人差別というよりは黒人礼賛であり、この点を差別的と捉えるのは難しい気がします。根本的な人種差別は、「肌の色が違う者は奴隷だ」とか、「肌の色で賃金に優劣を付けよう」とか、合理的な理由がないのに差別をする事です。肉体的に優れている人種に体を乗り換えよう、と思う事自体は、人種差別とは全く異なる次元だと思います。

もちろん、差別問題を語るのは非常に難しいのですが、本作の白人達は「黒人に憧れて」いるので、この点に限定すると、差別ではないと考えられます。ただし、「黒人だから白人に肉体を提供してもらう」という動機は、人種差別そのものと言えるでしょう。本人の同意は当然なく、何らメリットのない組織の活動は、狙われた黒人には迷惑でしかありません。

本物は残っている

本作では、元の白人の「意識の転送」に成功しているのか、「記憶と人格のコピー」なのかは定かではありません。意識の転送ができていないならば、「黒人の肉体で生活する」という目的は達成できていないので、全て台無しになります。そのため、本作では触れられていないものの、「意識の転送に成功している」という前提で観る事になります。

転送先の肉体では、元の人格は催眠術の効果により、奥深くに沈められ、肉体の支配権を失った状態で存在しているようです。強い光を浴びる事で元の人格に支配権が戻り、錯乱状態のように見えた家政婦は、実は元の人格が話していました。

このような状態は危険です。一人の肉体に2つの人格が入っているため、支配権の独占が揺らぐと、一方の優位性を保てないからです。

複数人格は可能?

そもそも、1つの脳に複数の人格が独立して思考する事は可能なのでしょうか?科学的な理論は不明ですが、これはいわゆる多重人格とは異なるものと考えられます。元の人格を消す事ができない状態では、白人の人格は不安定になる可能性がありますが、元の白人の肉体は捨てたため、戻る先がありません。

こんな不安定な方法で別の肉体に乗り換えるというのは、リスクが大きすぎます。とはいえ、それを選択した白人達は、既に老齢で、肉体的にトラブルが生じ始めた人達です。庭を全力疾走できるほどの体力が得られて寿命も伸ばせるならば、方法がどうあれ、新たな肉体を手に入れたいという事なのでしょう。

合法的な肉体チェンジ

本作の肉体乗り換えは、まだ技術的な課題が多く残った状態で実践しているように思います。時代が進むと、こういった事は合法的にできるようになるでしょう。

Netflixオリジナルドラマ『オルタードカーボン』では、意識をデバイスに格納し、肉体を自由に変更できる世界が描かれています。そこでの肉体は「スリーブ」と呼ばれ、スリーブが破壊されても意識を格納したデバイスが無傷である限り、死ぬ事がありません。ほぼ不死となった世界がオルタードカーボンのテーマです。ほぼ不死なので、人の意識が実際に死ぬ事は「リアルデス(RD)」と別の呼び方がされます。これは、意識格納デバイスが破壊された場合に発生します。

このような時代に生きる人間ならば、黒人も白人も性別も年齢も関係ありません。スリーブが死亡しても新たに乗り換えれば済みますし、お金はかかりますが、実際の人体ではない合成スリーブも選択できるのです。人種問題からは完全に解放された時代と言えます。

それが待てなかった本作の白人達は、悲惨な道を辿る事になりました。

評価の理由

予想外の目的を知った時の驚きと、そこまでの不穏の理由が全て明らかになるところは素晴らしいですね。

彼女(恋人)さえも組織の一味であり、肉体的に優れた黒人を選りすぐって彼氏を探し、恋人関係になると実家に連れてきて肉体交換の犠牲にする、という彼女の目的を知った時の苛立ちは、きっちり一家全滅というスッキリした結末で報われます。

この内容で星5以外はありえないでしょう。

どこで観れますか?

各配信サイトで観る事ができそうです。概ね評価は高いようです。

私は有料でレンタルしましたが、支払った金額は報われました。オススメです。

他にもあるオススメ作品

プロデューサーが同じ作品『アス』

こちらも社会派ホラーの傑作です。『ゲットアウト』から『アンテベラム』まで、プロデューサーの手腕が光る個性的な作品群です。
従来のホラーの形式にない新しいホラー映画である『アス』は、社会派ホラーという呼び方がピッタリです。

プロデューサーが同じ作品『アンテベラム』

『ゲットアウト』、『アス』を生み出した、同じプロデューサーの作品です。過去作より更に大きな「秘密」のある作品なので、『ショーン・マッキトリック』プロデュース作品が好きな人は、あらすじも公式サイトも読まず、情報ゼロでとりあえず1回観る事がオススメです。
↓この記事ももちろん、先に見ちゃダメですよ。

『ショーン・マッキトリック』は天才としか言いようがないですね。今後の作品も、あらすじも読まずに直接映画館に行くのが良さそうです。