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的外れ?『サロゲート』のネタバレ感想・考察/Surrogates (2009)

どーも、丸山です。 これ観ました。 

サロゲート

人間の代わりに遠隔操作のロボットが社会生活を送るようになった未来社会において、起こるのはずのなかった殺人事件が発生し、捜査が始まる。

なかなか観る機会がなかったのですが、Disney+で観ることができたので、早速観てみました。

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引用元:https://www.imdb.com/title/tt0986263/

この映画は何ですか?

 

「的外れ」です。

 

タイトルの意味

サロゲートは身代わりを意味しますが、似た単語にプロキシーもあります。

それらの違いとしては、プロキシーは「代理で」といった意味で、サロゲートは「身代わりをする具体的な何か」、といったニュアンスが挙げられます。

シンプルに言うと、こんな感じが近いでしょう。

  • プロキシ-=代理
  • サロゲート=身代わり

本作では、身代わりをするロボットを指す具体的な名称になるので、プロキシーではなくサロゲートになります。

あらすじは?

ロボット技術が進化した近未来において、生身の人間は自宅に寝たまま、神経接続されたロボットを身代わりに生活させる事で、外に出る必要のない生活を送っていた。
人間は事故や犯罪に巻き込まれる事がなくなり、最後の殺人事件からは何年も過ぎようとしていた。身代わりのロボットは、サロゲートと呼ばれた。

ある時、サロゲート2体が破損しているのが見つかり、所有者であるオペレータの元に刑事が向かうと、サロゲート同様に眼球が焼け焦げた死体が見つかった。

開発元は、安全機能により、サロゲートの破損が人間に影響する事はないと言う。しかし現実に事件は起きていた。

やがて、サロゲートの開発者自身が事件の黒幕と分かり、秘密裏に開発された武器がサロゲートの安全機能を無効にしてサロゲートの破損がオペレータにまで及ぶ事が判明した。

サロゲートの開発者は、人類がサロゲートに依存した事を嘆き、オペレータごと全滅させようと計画していたが、オペレータの死亡は無事に回避された。しかし、サロゲートシステムは破壊され、世界は再び人類の手に戻った。

みどころは?

人間が外に出なくなるとどうなるのか?という視点で、様々な新しい事が登場します。最初に破壊されたサロゲート二体は男女でしたが、女性のサロゲートの実際のオペレータは男性でした。

容姿や年齢だけでなく、性別も偽装して生活する近未来の姿が描かれる点は面白いですね。

サロゲートの見た目は若返らせているという設定のため、実際の俳優の容姿よりも若く加工されている点も注目です。主演のブルース・ウィリスは途中までサロゲートのみ登場し、妙に若く見えると思いましたが、後から実物が出てくると、ひげ面でしわだらけの老けた容姿で、「ああこれが実物だ」と安心しました。

何人かの人物は、サロゲートと実物の両方が登場し、実物が異常に老けている人もいるなどギャップが楽しめます。

サロゲートの見た目は、肌の反射がつやつやでメイクキメキメな感じなので、初めて鑑賞する人は、どの人物がサロゲートなのか?を予想しながら観ると面白いかもしれません。

評価の理由

公開当時の紹介文では、ロボットが社会生活を送り、生身の人間は安全であるはずなのに殺人事件が起きた、といった感じでした。そこからの想像では、なぜ殺人が起きるのか?といったミステリアスな内容を期待していました。

しかし、ミステリアスな展開は全くありませんでした。なぜならば、「安全機能を無効にする便利な武器」が登場する事で、サロゲートシステムや人間の安全、近未来舞台、といったこの映画のオリジナリティが全て迂回されてしまったからです。それにより、サロゲートシステムに依存した近未来という本作のテーマは背景化し、前面に残ったのは単なる殺人事件の犯人は誰?という刑事ドラマだけになってしまったからです。

そのストーリーが面白くないわけではないのですが、サロゲートという近未来のシステムを中心としたストーリーを期待していたので、なんとも期待外れな結果となりました。

時代が追いついていなかった?

ラストは意外にあっけなく、主人公の咄嗟の判断により、オペレータは生存、サロゲートは破壊という結末が選択されました。個人的な期待としては、サロゲートも保護してあげてよ!と思いましたが、伏線回収やその後に続く映像から、サロゲート破壊は必然であった事が理解できます。

道路のサロゲートが一斉に崩れ落ちるシーンは本作を締めくくる最も派手な映像であり、この絵が欲しかった事は理解できます。サロゲートが保護される結末だと、このような映像を得がたいという判断なのでしょう。

ただ、ラストのラジオ放送の音声が言う「世界は再び人類の手に戻りました」というフレーズには違和感しか感じません。現代社会の課題として、感染症予防を将来的に継続していく必要性が生じました。サロゲートは現実的に採用するメリットがあるわけです。
サロゲートに身代わり生活をさせたとしても、世界が人類の手にある事に変わりはなく、映画のラストフレーズが意味するものが、「ロボット社会は人間には反理想的」という思想にあるのかどうか、考えてしまいます。

2009年当時においては、将来の見通しが甘かったのか、あえてそのような締め方をする事で議論させたかったのか。

いずれにせよ、何かしらの意図的なものを感じてしまいますね。

どこで観れますか?

Disney+で観られるかもしれません。