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実は難解?『フロッグ』のネタバレ感想・考察・解説/I see you (2019)

どーも、丸山です。
これ観ました。

今回も、作品の核心的なネタに触れながら考察しております。
鑑賞後の方を対象に書いておりますのでご了承ください。

フロッグとは?

映画『フロッグ』は、2019年に製作された犯罪ドラマ映画です。

フロッグの意味は、「他人の家屋で密かに暮らす生活スタイルの事」なのですが、もちろん犯罪です。

本作は、フロッグをされている一家の視点と、フロッグする側の視点が描かれ、最後に目的が明らかになります。

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引用元:https://www.imdb.com/title/tt6079516/

この映画は何ですか?

 

「AB映画」です。

 

良作ですか?

やや微妙かもしれません。

本作のジャンルを分かりやすく言うと、映画『カメラを止めるな』と同じで、1つのストーリーを異なる視点で2度観るタイプの作品です。それぞれの視点が交互に映るのではなく、前半がA視点、後半がB視点、という構成になっているのが特徴です。

『カメラを止めるな』は初めて観た人でも何が起きているか分かりやすいように、1回目と2回目の間に説明パートがあります。
この説明パートを観る事で、これから何が起きるか、そこまでと何が違うのかをしっかりと理解しながら変化を楽しみやすくなる。これが『カメラを止めるな』の優れたポイントです。

しかし本作は、何が起きているかを明確に理解して2ターン目を観る事が難しい構成となっています。

「あれ?なんかよく分かんない。もっかい観たい」

となる点は、本作も『カメラを止めるな』も同じですが、『カメラを止めるな』「再度観ると1ターン目が面白くなる」のに対し、本作はどこからが2ターン目なのかが分かりにくいため、何が起きているのか?を飲み込むのが、ちょっと難しい感じなのです。

コピーは大げさ

本作に使われている、『45分後から快楽に変わる』というコピーは、嘘・大げさ・紛らわしいです。
そんな鑑賞効果はありません。過剰な期待を煽る、盛り過ぎなコピーです。

AB映画とは?

1つの場面を異なる視点で、前半にA視点、後半にB視点、と2回映すような映画について、これまでは特に呼び方がありませんでした。

予めそういった構成であることを知らせてしまうと、せっかく秘密にしている構成をばらしてしまうような事になりかねないため、あらすじ等でそのことに触れるのは難しいのかもしれません。

しかし、呼び方がないのも困ります。

そこで今回から、ABの視点で同じ場面を2回映すような構成の映画を、AB映画と呼ぶ事にします。本作以外では、『カメラを止めるな』もAB映画です。ただし気を付けて頂くべき点として、AB映画という表現は私がいま思い付きで命名したので、よそでは通じませんよ。
広めちゃって下さい。

あらすじは?

本作の中心的なストーリーとして、未解決の児童失踪事件が連続します。
しかし、その事件との関連性が曖昧なまま、異なる視点で1ターン目と2ターン目を鑑賞していきます。

1ターン目

一家が過ごしていると、部屋の物の位置が変わる、物が落ちてくる、といった不可解な事が起こります。心霊現象なのかな?と思うような、ミスリードを誘う演出です。

最後は、侵入者が斧を持って、一家の父親に斬り掛かる瞬間で終了します。何が起きたか分からないまま、2ターン目が始まります。

2ターン目

1ターン目の冒頭で、2人組が「フロッグ」を実行している事が説明されていました。2ターン目は、彼らの視点で描かれるストーリー展開となります。

フロッグとは、住人に気づかれず、迷惑もかけず、最小限の食料を「気づかれない程度に」頂きながら生活する行為の事と説明されます。そして、住人に気づかれないようにするため、短期間に移住を繰り返すのだそう。

一人はフロッグ達人の女子。もう一人は、初参加のビギナー男子。この男子がくせ者で、フロッグ先輩女子の言うことを聞かず、フロッグルールを逸脱した横暴な行動が目に付きます。

1ターン目で、部屋の物が移動していたり落ちてきた物が当たって怪我をするなどの怪現象は、全てフロッグ中の彼らの仕業であったことが分かります。

『カメラを止めるな』の場合は、2ターン目で仕込まれる情報を元に、再度1ターン目を観たときに初回鑑賞時には得られなかった笑いが生まれるという優れた編集・演出がありました。しかし本作は、そういう優れた演出を狙ったわけではないようです。

この映画の見所は?

まず、1ターン目のラストで、いきなり斧で襲いかかる場面です。フロッグ新人の彼は、他人に斧で斬り掛かるようなサイコ殺人鬼だったのでしょうか?突然の行動に謎が深まります。

この突然の行動の理由を理解できるのが2ターン目で、ここも大きな見どころとなっています。

彼は、児童失踪事件の被害に遭いつつ、逃げる事ができた奇跡的な生存者でした。そのため、彼は犯人の顔を覚えているのです。この辺から、本作の中心的ストーリーである、児童失踪事件との関連が描かれていきます。

初フロッグ滞在先にこの家を選んだのは彼です。この家を選んだ明確な理由は語られませんが、犯人の家を突き止め、復讐するためにフロッグに同行したと推測できます。

このように、彼が「生存者である事」、「復讐が目的である事」が明らかになるシーンが主な見どころとなっています。

ほかにも映画の結末は全く別の展開があるのですが、考察とは関わらないため当記事では触れません。結末を忘れた方は、再度鑑賞しましょう。

2回観る価値はある?

集中して1回鑑賞すれば十分ですが、見どころを掴みにくい作品です。
もう一度観て、1ターン目で何が起きていたのか見直してみると、面白いかもしれません。

日本では難しい「フロッグ」の実行

日本では、フロッグという行動様式を聞いた事がありません。もちろん犯罪です。
そのようなフロッグを実行するとしたら、日本の住宅事情ではまず無理で、屋根裏などが充実している住宅事情のお国である必要があります。

むしろ、日本版フロッグをテーマにした映画を作ったら面白いかもしれませんけども。

犯人は誰?

1ターン目の最後に斧で殺されそうになる男が、児童失踪事件の犯人です。

その犯人を覚えているフロッグ男子がこの家をフロッグ先に選び、復讐するためにフロッグしていたのです。これがこの物語に隠された真の目的です。

しかし、犯人への復讐で事件が終わるわけではありません。最後に本当のイベントが待っているのでした。

この犯人の犯罪は、本当に恐ろしいですね…。

まとめ

本作は、AB映画としては『カメラを止めるな』と同じ系統の作品ではありますが、全く性格の異なる映画です。AB映画のエンターテイメント性を追求した映画が、『カメラを止めるな』だと言えるでしょう。

本作は少し難解な構成であるため、しっかりと観る必要がありそうですね。

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