ネタバレパラダイス

鑑賞後にお読み頂きたいブログです

親しい隣人/Unter Nachbarn (2011)

どーも、丸山です。 これ観ました。

 

親しい隣人

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youtu.be

この映画はなんですか?

「チャーミングな中年男の嫉妬が卍解する映画です」

 

もうちょっと具体的に

隣人系映画の男性版です。

最近はちょっとしたカテゴリができつつある隣人系映画。

隣人系映画の基本的なプロットは、主人公が新たに転居してきて、隣人から嫉妬や乗っ取り等をしかけられるという内容です。嫉妬も乗っ取りも、通常は同性に対するものなので、女性間トラブルか男性間トラブルの二択になるわけですが、通常、映画界での嫉妬=女性というのがステレオタイプであり、男性の嫉妬を描く作品は多くはありません。

 

多くない理由

脚本家が創作しやすいのが女性の嫉妬だからでしょう。男性も嫉妬深い生き物ですが、女性とは嫉妬の対象が違っていたり、そもそも個人的な感情なので男女の違いを定義できるものでもありません。なので男性は嫉妬しませんなんてことは全くないのですが、女性の嫉妬の方が客観的に認識しやすく、ストーリーとして描きやすいという事でしょう。

もう1つ大きな理由がありますよね。

それは、、、

 

男の嫉妬なんか観たいですか?

 

という点。

女性だから感情的には醜いとしても絵的に美しかったり(女優さん次第ですが)という救いようがありますが、男性だと救いようがないとか、ドロドロしたねっとり系展開になりがちだし、じゃあ双方をハンサムにすればいいかというと「ハンサムな男は嫉妬しないから非現実的」という批判的な見方や、一方をハンサムにすると「顔が不細工だから嫉妬するんだなぁ」という誤った見方が出てきたりするので、男性間の嫉妬をテーマに映画を作ろうとすると、絵作りが非常に難しい。

そんな難しいところに手をつけるぐらいなら女性間嫉妬の方が楽に作れる。

というのが、隣人系映画に男性版が希少な理由ではないかと思います。

 

内容は?

チャーミング?な笑顔の中年男性が、隣に転居してきた独身エリートサラリーマンに嫉妬するだけの簡単なお仕事です。

 

ゲイですか?

女っ気はなく、やや木訥としているというか、大きい体で優しい感じの隣人は、男色的は要素は全くないようです。ファッションも地味で、目立たず静かに暮らしてきた事が想像できます。

 

ただ、映画的に性的嗜好に踏み込んでいないだけで、心理学的な観点で言えば隣人がエリートに恋しているのと同じ状態であることは言うまでもなく、そういった傾向を完全に排除した映画にできている点は素晴らしいかなと思います。

男性間嫉妬の映像化を楽する1つの要素は、性的要求イベントフラグを立てる事ですが、そうするとただのゲイ映画になってしまうので、男性版隣人系映画では、ゲイ色を完全に排除する事が1つのハードルとなります。

とはいえ、男性なら分かるでしょう。自分たちが嫉妬深い生き物であると言うことを。自覚できない人も多いでしょうけど。

つまり、映画化するネタは多岐に渡るわけです。男性間嫉妬をテーマにした映画はいくらでも量産可能なのです。

 

良作ですか?

脚本だけでなく、隣人のキャラクターが非常に重要です。主人公よりも、隣人の俳優に映画の出来が左右されます。

本作では、チャーミング?な笑顔の中年男性がとてもいい味と現実味を出しており、極端にサイコチックでもなく、ごく自然な「嫉妬」を表しています。良作と言えるのではないでしょうか。

 

あらすじは?

優しくしてくれる隣人とバーに行って知り合った女性を、隣人と二人で車で帰宅途中に道路にいた(なぜかそんな場所にいる不思議)その女性をひき殺してしまい、その秘密を共有する事でより親しさを強要され、離れようとするエリートを隣人が追い詰めて殺そうとするも失敗して自分から溺れて死ぬという悲惨な結末を辿ります。

 

しかし、おかげでエリートは生き残ります。

 

隣人系映画では、隣人が勝つか負けるかが大きな要素ですが、本作では嫉妬が卍解しちゃった隣人が自ら墓穴を掘るタイプの結末です。

実際のところ、静かな湖に浮かぶボートが映るだけで、隣人がどうなったのかは不明。

エリートとの蜜月に失敗した失意から自殺という想像が一般的でしょうか。

 

最後まで飽きずに観れますし、シンプルなので、ながら観にもオススメです。

 

以上、チャーミングな中年男性の丸山でした。